ルクレールが赤く染めたモンツァ F1新時代へ
- 2019/09/10
- 18:00
ルクレールが2連勝した。まず、ベルギーのスパで初優勝。続いてイタリアのモンツァで。いずれもポール・トゥ・ウィン。ファンが待ちに待った若いドライバーが、ようやく陽の当たる場所に出て来た。
昨シーズン、ザウバーで走っていた時から、この若い新鋭には多くのF1ファンが注目していた。まず、速い。これはF1ドライバーにとっては絶対条件。そして、ミスをしない。自分の現在のマシンより明らかに能力差のあるマシンに無茶なブロックやオーバテイクを仕掛けたりしない。まだ今シーズンで2年目なのに、まるで10年走っているベテランを見ているような気になる。でも明らかにフレッシュ。
昨年、ザウバーでの活躍を見ていた時から、F1中継の解説陣なども「早く、もっと速いマシンに乗ったところを見たいですね」と切望されていたルクレールの才能。それが、今シーズンから"速いマシン"フェラーリに乗ることに。ただ、やはりF1は甘くない。速いマシンに乗ったら、これまでとは違う"速いライバル"と競うことになる。なかなか初優勝まで辿り着けない。
それが、とうとう、今シーズンの第13戦ベルギーGPで初優勝。今シーズン3度目のポールポジションからの勝利。まさに3度目の正直。スパは、あのミハエル・シューマッハが初優勝したサーキットでもある。将来、ワールド・チャンピオンになる男の符号か。そんなことも考えてしまう。
この初優勝には、前日のF2レースで友人ドライバー(アントワーヌ・ユベール)が事故死し、それを乗り越えての勝利というドラマも隠されている。
同僚の死がドライバーにどれほどの影響を与えるか、あの明るいリカルド(ルノー)さえユベールの死を受けてレース棄権を考えたというのだから、そのショックがどれほどのものか分かるだろう。かつてプロフェッサーと呼ばれた天才アラン・プロストが雨が降り出すと途端に遅くなるのは、友人ドライバーが事故死した雨のレースの事故に自分もからんでいたからだと言われている。
辛い同僚の死を乗り越え、見事に初優勝したルクレール。ドライバーに必要なタフさも具えている。

初優勝に続いての2勝目は、最高の舞台での達成となった。フェラーリの地元、モンツァ。ティフォシたちが熱狂する中での勝利となったからだ。フェラーリがモンツァで勝ったのは、2010年以来のこと。ルクレールが真ん中に立つ表彰台を見上げるティフォシたち。彼らがどれほどこの瞬間を待っていたか。かつて、サンマリノGPでフェラーリが2台ともリタイアすると、観客席から赤い帽子とシャツを着たティフォシたちが雪崩を打って帰って行くのを見たことがある。彼らにとってF1とはフェラーリであり、赤いマシンが走っていないレースはレースではないのだ。それくらいフェラーリを愛して止まないファンが願っていた聖地での勝利。ルクレールのシャンパンファイトが終わっても、コース上の赤い絨毯は静まることがなかった。
この輝かしいモンツァでの勝利の中で、一点だけ気になったことがある。それは、レース終盤にトップを走るルクレールにハミルトン(メルセデス)のマシンが迫って来た時のこと。もう少しで追い抜きそうになったハミルトンを、ルクレールがややコース脇に押し出すような形で抑えたシーンがあった。結局、このことでペナルティが下されることは無かったが、ルクレールには黒白旗(スポーツマンらしくない行為への警告を意味する。サッカーのイエローカード相当)が振られるのみとなった。
でも、ちょっと待ってくれよと思った。あのシーンを見ていた人なら分かると思うが、あれは特に無茶な行為では無かっただろう。トップを走っているドライバーが、自分を追い抜こうとしている後続車を抜かせまいとして行った通常のドライビングだ。「ブレーキング中に車線を動かしたといえば動かしましたからね」という解説陣の辛口コメントもあったけど、とがめるほど不自然で悪質な走りでは無かった。
もし、あれを違反だというのなら、それは「ここはワールド・チャンピオンのハミルトン様が通る道なんだから2年目の君はどきなさい」と言うのを正当化しているようなものだ。まあ、実際はペナルティーは無く、最後まで「レース」が見られたのだから良かったが、にしてもあの「黒白旗」は余計だった。あれが無ければ神ジャッジだったんだが。まだまだ青いな、新しいレースディレクターは。
ただ、そんなルクレールに対する"風当たり"のようなものを見ていると、やはりすごいドライバーが出て来たんだなと痛感する。かつて、セナがプロストに、アレジがセナに、そしてシューマッハがセナに自分が前を走っている時に道を譲らなかったように、ルクレールもハミルトンに譲らないのだ。
「今、トップを走っているのは自分だ」
かつてセナが言ったように、「1番になろうとしない者はレージング・ドライバーではない」。
早く、ルクレールとフェルスタッペンがワールド・チャンピオンを争って走るシーンが見たい。どちらも譲らないだろう。セナとプロストあるいはセナとマンセル、あんなバトルが再来するかも知れない。もっとも、争うのはコース上でのみにして欲しいけど。
ともあれ、ルクレールはプレッシャーを乗り越えて2連勝した。実力を証明したのだ。まだまだ試練はあると思うけど、早く新しいチャンピオンの誕生を見てみたい。
昨シーズン、ザウバーで走っていた時から、この若い新鋭には多くのF1ファンが注目していた。まず、速い。これはF1ドライバーにとっては絶対条件。そして、ミスをしない。自分の現在のマシンより明らかに能力差のあるマシンに無茶なブロックやオーバテイクを仕掛けたりしない。まだ今シーズンで2年目なのに、まるで10年走っているベテランを見ているような気になる。でも明らかにフレッシュ。
昨年、ザウバーでの活躍を見ていた時から、F1中継の解説陣なども「早く、もっと速いマシンに乗ったところを見たいですね」と切望されていたルクレールの才能。それが、今シーズンから"速いマシン"フェラーリに乗ることに。ただ、やはりF1は甘くない。速いマシンに乗ったら、これまでとは違う"速いライバル"と競うことになる。なかなか初優勝まで辿り着けない。
それが、とうとう、今シーズンの第13戦ベルギーGPで初優勝。今シーズン3度目のポールポジションからの勝利。まさに3度目の正直。スパは、あのミハエル・シューマッハが初優勝したサーキットでもある。将来、ワールド・チャンピオンになる男の符号か。そんなことも考えてしまう。
この初優勝には、前日のF2レースで友人ドライバー(アントワーヌ・ユベール)が事故死し、それを乗り越えての勝利というドラマも隠されている。
同僚の死がドライバーにどれほどの影響を与えるか、あの明るいリカルド(ルノー)さえユベールの死を受けてレース棄権を考えたというのだから、そのショックがどれほどのものか分かるだろう。かつてプロフェッサーと呼ばれた天才アラン・プロストが雨が降り出すと途端に遅くなるのは、友人ドライバーが事故死した雨のレースの事故に自分もからんでいたからだと言われている。
辛い同僚の死を乗り越え、見事に初優勝したルクレール。ドライバーに必要なタフさも具えている。

初優勝に続いての2勝目は、最高の舞台での達成となった。フェラーリの地元、モンツァ。ティフォシたちが熱狂する中での勝利となったからだ。フェラーリがモンツァで勝ったのは、2010年以来のこと。ルクレールが真ん中に立つ表彰台を見上げるティフォシたち。彼らがどれほどこの瞬間を待っていたか。かつて、サンマリノGPでフェラーリが2台ともリタイアすると、観客席から赤い帽子とシャツを着たティフォシたちが雪崩を打って帰って行くのを見たことがある。彼らにとってF1とはフェラーリであり、赤いマシンが走っていないレースはレースではないのだ。それくらいフェラーリを愛して止まないファンが願っていた聖地での勝利。ルクレールのシャンパンファイトが終わっても、コース上の赤い絨毯は静まることがなかった。
この輝かしいモンツァでの勝利の中で、一点だけ気になったことがある。それは、レース終盤にトップを走るルクレールにハミルトン(メルセデス)のマシンが迫って来た時のこと。もう少しで追い抜きそうになったハミルトンを、ルクレールがややコース脇に押し出すような形で抑えたシーンがあった。結局、このことでペナルティが下されることは無かったが、ルクレールには黒白旗(スポーツマンらしくない行為への警告を意味する。サッカーのイエローカード相当)が振られるのみとなった。
でも、ちょっと待ってくれよと思った。あのシーンを見ていた人なら分かると思うが、あれは特に無茶な行為では無かっただろう。トップを走っているドライバーが、自分を追い抜こうとしている後続車を抜かせまいとして行った通常のドライビングだ。「ブレーキング中に車線を動かしたといえば動かしましたからね」という解説陣の辛口コメントもあったけど、とがめるほど不自然で悪質な走りでは無かった。
もし、あれを違反だというのなら、それは「ここはワールド・チャンピオンのハミルトン様が通る道なんだから2年目の君はどきなさい」と言うのを正当化しているようなものだ。まあ、実際はペナルティーは無く、最後まで「レース」が見られたのだから良かったが、にしてもあの「黒白旗」は余計だった。あれが無ければ神ジャッジだったんだが。まだまだ青いな、新しいレースディレクターは。
ただ、そんなルクレールに対する"風当たり"のようなものを見ていると、やはりすごいドライバーが出て来たんだなと痛感する。かつて、セナがプロストに、アレジがセナに、そしてシューマッハがセナに自分が前を走っている時に道を譲らなかったように、ルクレールもハミルトンに譲らないのだ。
「今、トップを走っているのは自分だ」
かつてセナが言ったように、「1番になろうとしない者はレージング・ドライバーではない」。
早く、ルクレールとフェルスタッペンがワールド・チャンピオンを争って走るシーンが見たい。どちらも譲らないだろう。セナとプロストあるいはセナとマンセル、あんなバトルが再来するかも知れない。もっとも、争うのはコース上でのみにして欲しいけど。
ともあれ、ルクレールはプレッシャーを乗り越えて2連勝した。実力を証明したのだ。まだまだ試練はあると思うけど、早く新しいチャンピオンの誕生を見てみたい。
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