アニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を4作めまで見ました
- 2017/12/07
- 18:00
安彦良和さんが描いたコミックを原作にしたアニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を4作めまで見ました。以前、1作め「青い瞳のキャスバル」を見た感想を書きましたが、あの時に抱いていた期待以上に面白くなってます。
原作のコミックがとても面白かったので、これをアニメ化するのはファンの期待が高すぎて難しいんじゃないか。そう思っていました。けれど、「青い瞳のキャスバル」を見てから、そのクオリティの高さに「これはアニメで見る価値がある」と続きを見るのが楽しみな作品になりました。原作が良すぎると、アニメ化には不安しか感じないのですが。この「THE ORIGIN」は違いました。
昭和のファーストガンダムの頃より、格別に進化した映像技術によってとんでもなく映像が綺麗になっている「THE ORIGIN」。でも、単にそれだけでこの作品を素晴らしいと思ったのではありません。面白いな、素晴らしいなと感じたのは、まず、安彦さんの原作の感触を生かしてそのまま動画にしたこと。あの何とも味わい深いタッチの絵が、そのまま動画になって動いている。まず、そこです。
安彦さんの描く人物は、パッと見、動き回るような雰囲気を持っていません。そのトーンを壊さずにアニメーションで見せているのは凄いです。それとは対照的に、人物以外のもの--モビルスーツや宇宙船、その他車両など--はCGを使ってリアリティ重視で動かしています。人の手の温もりによる味わい深さと、機械の持つ無生物感を、最新の技術を上手く使い分けることによって描いています。
古典的アニメのリメイクというと「宇宙戦艦ヤマト」をすぐに思い浮かべますが、あちらはちょっといただけません。人物もメカニックもすべて最新の技術でゴリゴリ動かしています。あれは、松本零士さんの作った世界の魅力を損なっているような気がします。まあ、私が昭和ヤマトの大ファンだというのもあるのですが。
ともあれ「THE ORIGIN」は従来からあるものの魅力は損なわないように残し、取り入れるべき部分にだけ新しい技術を導入しています。「ガンダム」の持つ世界観は損なわないように、上手に。「従来からあるもの」として劇中に流れているBGMも、ファーストガンダムの時に使われていたものを何曲かそのまま使っています。これもまたオールドガンダムファンには嬉しいし、同時に、良い音楽は何十年経っても古くならないんだなと再認識させられました。この「THE ORIGIN」で「ガンダム」と出会った世代の人も「人工の大地M-1」や「血塗られたザビ家」といった曲が今から40年近くも前に作られたものだと知ると驚くことでしょう。そして、その時からずっとシャアを演じ続けている池田秀一さんの声の変わらぬ鋭さにも。
原作コミックとアニメには細かい点だけど違いもあって、それを見つけるのもファンとしてはちょっと楽しみなところです。でも、安彦良和さんが常々仰っているように「THE ORIGIN」で「ガンダム」という物語をガラリと変えてしまうような変更はないので、オールドファンは御安心を。
この”新しいガンダム”が新たな世代のファンを獲得し、そして「ガンダム」をより長く愛される作品にしてくれるものになればいいなと思います。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV【Blu-ray】 [ 池田秀一 ]
原作のコミックがとても面白かったので、これをアニメ化するのはファンの期待が高すぎて難しいんじゃないか。そう思っていました。けれど、「青い瞳のキャスバル」を見てから、そのクオリティの高さに「これはアニメで見る価値がある」と続きを見るのが楽しみな作品になりました。原作が良すぎると、アニメ化には不安しか感じないのですが。この「THE ORIGIN」は違いました。
昭和のファーストガンダムの頃より、格別に進化した映像技術によってとんでもなく映像が綺麗になっている「THE ORIGIN」。でも、単にそれだけでこの作品を素晴らしいと思ったのではありません。面白いな、素晴らしいなと感じたのは、まず、安彦さんの原作の感触を生かしてそのまま動画にしたこと。あの何とも味わい深いタッチの絵が、そのまま動画になって動いている。まず、そこです。
安彦さんの描く人物は、パッと見、動き回るような雰囲気を持っていません。そのトーンを壊さずにアニメーションで見せているのは凄いです。それとは対照的に、人物以外のもの--モビルスーツや宇宙船、その他車両など--はCGを使ってリアリティ重視で動かしています。人の手の温もりによる味わい深さと、機械の持つ無生物感を、最新の技術を上手く使い分けることによって描いています。
古典的アニメのリメイクというと「宇宙戦艦ヤマト」をすぐに思い浮かべますが、あちらはちょっといただけません。人物もメカニックもすべて最新の技術でゴリゴリ動かしています。あれは、松本零士さんの作った世界の魅力を損なっているような気がします。まあ、私が昭和ヤマトの大ファンだというのもあるのですが。
ともあれ「THE ORIGIN」は従来からあるものの魅力は損なわないように残し、取り入れるべき部分にだけ新しい技術を導入しています。「ガンダム」の持つ世界観は損なわないように、上手に。「従来からあるもの」として劇中に流れているBGMも、ファーストガンダムの時に使われていたものを何曲かそのまま使っています。これもまたオールドガンダムファンには嬉しいし、同時に、良い音楽は何十年経っても古くならないんだなと再認識させられました。この「THE ORIGIN」で「ガンダム」と出会った世代の人も「人工の大地M-1」や「血塗られたザビ家」といった曲が今から40年近くも前に作られたものだと知ると驚くことでしょう。そして、その時からずっとシャアを演じ続けている池田秀一さんの声の変わらぬ鋭さにも。
原作コミックとアニメには細かい点だけど違いもあって、それを見つけるのもファンとしてはちょっと楽しみなところです。でも、安彦良和さんが常々仰っているように「THE ORIGIN」で「ガンダム」という物語をガラリと変えてしまうような変更はないので、オールドファンは御安心を。
この”新しいガンダム”が新たな世代のファンを獲得し、そして「ガンダム」をより長く愛される作品にしてくれるものになればいいなと思います。
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- テーマ:機動戦士ガンダムシリーズ全般
- ジャンル:アニメ・コミック
- カテゴリ:アニメ
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